商品化を食い止める「適正労働」という考え方長時間労働に労働者が巻き込まれていく背景には、正規雇用に典型的な、目にみえない拘束・支配がある。ドイツの裁利所(デュッセルドルフ州労働裁判所)では、労働契約は、一定の成果を上げることを内容とする請負契約ではないとし、労働者の精神的及び肉体的な力を適度に緊張させた状況で労働することを要請でき、客観的に満足される労務をもたらすことを内容とすべきであるという判断を下している。
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そうでなければ使用者は、特別なストレスのもとでしか達成できない売上げ基準を立てておいて、労働者に義務を果たしていないと非難できることになってしまい、そんなことは労働者保護規定に抵触して無効だというのである。このように、労働契約における労働者の労務提供義務の範囲を「適正労働」と所得保障の観点から限界づけていく考え方は重要だ。