雇用システムの国際比較

2011.12.23

国ごとの雇用システムの特徴を概観することにしよう。日本の雇用システムの特徴が長期雇用や継続雇用にあるのなら、これと対比されるのは、アメリカの雇用システムである。それは確かに高度に流動的だといってよい。そして流動的であることを基準とする限り、それは「市場型」のシステムの典型だとみなされる。ゆえに、定着型から流動型への雇用システムの転換、あるいは組織指向型から市場指向型への雇用システムの転換といったことがテーマとなるとき、常に念頭に置かれるのは、アメリカの雇用システムだということになる。

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しかし、われわれの思考法において、「市場型」という表現は、常に「欧米型」という表現と一体となってきた。もしそうだとすると、ヨーロッパの諸国の雇用システムはどのような意味で「市場型」であるのか。それはアメリカ型と同等の意味で「市場型」のシステムであるのか。いや、当然のことであるが、「欧米型」と一括できるようなシステムがあるわけでなく、それぞれに異なるタイプの「市場型」のシステムが制度化されているのか。いや、そうではなく、先に指摘したように、「市場型」かどうかといった問題設定自体が無意味であるというべきか。このようなことを考えるためにも、雇用パターンに観察される各国ごとの特徴、あるいは国ごとの違いについて概観することから始めよう。




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